商品を入れるために、どうしても容器は必要です。瓶・紙・プラスチックなどさまざまな素材がある中で、何が一番地球・生態系に負荷を減らせるか―正直、今の段階ではこれだ!という結論には至っていません。
瓶は洗って再使用ができますが、輸送中や使用時に割れやすく、またどのように回収するかという壁があります。紙も製造時に多量の水を使う、浴室で使うものには耐水性が不十分など課題が…そこで、私たちが今取り入れているのが「バイオマスプラスチック」です。
私たちが導入している“バイオマスプラスチック”は、原料に石油ではなくトウモロコシ、サトウキビなど植物を使ったプラスチックです。
植物は成長する段階でCO2を吸収してくれます。何より枯渇燃料である石油を使わない、という観点で私たちは導入を決めました。
2015年の導入以降、削減できたCO2は56.6tとなっています。(杉の木4,018本が1年間に吸収するCO2量に相当します)
しかし、バイオマスプラスチックには
まだまだ課題もたくさんあります。
市場では「バイオマスプラスチック」という言葉をよく耳にするようになってきましたが、まだ実際は1%しか普及していない現状。未だにプラスチックの原料の99%は石油です。私たちはバイオマスを99%配合で創っていますが、一般では5%~20%程度と配合量も低い現状です。原料費が高い、原料の供給が難しい、バイオマス容器をつくる技術が難しいなどの課題があります。
また、バイオマスはあくまでも「カーボンオフセット」です。焼却時にはCO2を出します。そもそもCO2を排出しない(ゼロカーボン)の容器を、目指さなければなりません。
まだまだたくさんの原料採取により、自然破壊や生態系破壊が起こっています。その中でやっと一例ですが、大量に使用されている「パーム油」(※)については、WWFが中心となり違法伐採や違法労働がないか審査・認証する仕組みができ始めました。しかしまだまだ流量通量はわずかです。
EUなどは「森林破壊に関連して生産されたものを、EU圏内での販売を禁ずる法律」(森林破壊防止法 2022年成立)などの法整備が進んでいます。日本を始め全世界が変わっていかなくてはなりません。
(※)「パーム油」の問題
インスタント麺、スナック、チョコレート、化粧品など、さまざまな商品に使われるパーム油(原料はアブラヤシ)。インドネシアやマレーシアでは原生林が大量に伐採され、焼き払われ、アブラヤシ農園に変わっています。大量のCO2が排出され、野生生物の棲家が奪われています。