海洋政策研究所 阪口先生に伺いました
地球温暖化で「サンゴの白化」が世界的な問題となっていますが、実はUVケアも関係していることをご存知ですか?皆さんが毎日塗り、洗い落とすUVケア。世界では年間一万四千トンもの量が海に流れているという試算もあります。UVケアの成分である「紫外線吸収剤」は海の底に蓄積し、その影響でサンゴの白化に拍車がかかります。そして白化状態が続くと、サンゴは死滅してしまいます。
海は万物の最終ゴミ処理場であってはなりません。しかし、化粧品や洗剤などの生活用品を洗い流した後、最後に行きつく所は海です。そのことを皆さん意識してください。
また人工的に作られた成分ほど、分解されにくく、元の環境には戻りにくいです。毎日使うものは、まずは使いすぎないこと、そして使うとしたらぜひ安全なものを選んでください。
浄化センターで伺いました
全国の汚水処理人口普及率(下水道・浄化槽含む)は92%。
汚水がそのまま河川に流れる地域も、まだありました。
都市部ではほぼ下水道が完備され、山間部でも簡易浄化槽の設置が進んでいます。しかし、人口5万名未満の地域では18%も、簡易浄化槽さえなく、汚水が垂れ流しになっている地域がありました。洗剤や除菌剤などの有害物質は河川や海に直接流れて環境負荷をかけてしまいます。
大阪産業技術研究所 小野先生に伺いました
昭和40年代以降、石鹸にかわり石油系の界面活性剤がさまざまな商品に使われるようになり、使用量が急増。河川の汚染が各地で大きな問題となりました。
その後下水処理施設の整備が進み、ABSやリン酸塩を含まない洗剤も開発されるように。産業排水に厳しい基準も設定され、目に見える河川の汚染は劇的に減っています。しかし、石油系の界面活性剤は分解率が悪いことには変わりありません。特に直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)は多くの洗剤に使われている界面活性剤で、分解されにくく海底に蓄積し、生態系に影響を与えることがわかっています。