ネイチャー生活倶楽部

UVケアのSPF値“高ければ良い”と思ってた!高いものはかえって肌に刺激がかかるものもあるなんて!

“日常紫外線はSPF20~30”あれば充分ですよ。生活シーンに合わせて、必要なUVケアを選んでください。

日本化粧品工業会で伺いました

紫外線のことをよく知って、適切な紫外線防止用化粧品を選び、正しく使えば防止効果は確実に高まります。

① 紫外線を浴びないように工夫しましょう

紫外線を防ぐために、紫外線防止用化粧品を活用すると同時に、
・つばの広い帽子をかぶる
・日傘をさす
・長そでを着る
・サングラスをかける

など、できる限り「紫外線を浴びない」工夫をしましょう。

② 紫外線防止用化粧品を正しく選びましょう

「日常紫外線はSPF20~30、PA++」あれば充分です。

紫外線防止用化粧品は使うシーンに応じて正しく選ぶことが大切です。炎天下の登山などで浴びる紫外線と通勤などの日常生活で浴びる紫外線の強さは同じではなく、必要な紫外線防止効果が異なります。

③ 紫外線防止用化粧品を正しく使いましょう

紫外線防止用化粧品を正しく選んでも、使い方が間違っていては十分な効果は期待できません。下記に気をつけて正しく使ってください。
・十分な量を肌にムラなくのばすこと
・少なくとも2~3時間おきを目安に状況を見て塗り直すこと
・水に濡れた後に塗り直す時は、水気を取り乾いてから塗り直すこと

SPF値が高いUVケアには「紫外線吸収剤」という化学原料が使われやすいです。
肌が弱い方は紫外線吸収剤なし(ノンケミカル)を選んでください。

皮膚科医 小林先生に伺いました

皮膚科専門医
小林 美和 先生
小林 美和 先生
肌の老化の原因、80%が紫外線です。しっかり防いでください。ただし、UVケアに使われる紫外線吸収剤は肌に刺激となることも。肌が弱い方やお子さんなどは、紫外線吸収剤なし(ノンケミカル)を選んでください。

① シミ・シワ・ほうれい線も紫外線が原因でできます。

加齢により増える肌の悩みの多くは、日々浴び続ける紫外線のダメージが蓄積したものです。紫外線にはUV-A・UV-B・UV-Cの3種類がありますが、私たちの肌に届くのはUV-AとUV-Bです。UV-Aは波長が長く、肌の真皮にまで届きシワやタルミの原因となります。
UV-Bは波長が短く表皮までしか届きませんが、日焼けを起こしシミやクスミの原因となります。

② UVケアに使われる「紫外線防止剤」は2タイプ、「紫外線吸収剤」「紫外線散乱剤」です。肌が敏感な方やお子さんは「紫外線散乱剤」をおすすめします。

UVケアに含まれる紫外線防止原料には「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2タイプがあります。「紫外線吸収剤」は紫外線を吸収して肌の上で化学変化を起こし、熱や赤外線などのエネルギーに変化させて放出することで防ぎます。肌が敏感な方は刺激となる場合があるため、そのような方は「紫外線散乱剤」を使ったUVケアを選んでください。「紫外線散乱剤」は紫外線を反射し防ぐので、肌への負担は少ないです。

UVケアに使われる紫外線吸収剤は、皮膚から吸収され、身体に影響を及ぼすことがわかってきています。

皆さんが塗って洗い流すUVケアは、川や海に流れていきます。
特に紫外線吸収剤は、サンゴなど海の生態系にも影響を及ぼしています。

海洋政策研究所 阪口先生に伺いました

海洋政策研究所
所長 阪口 秀 先生
所長 阪口 秀 先生
年間1万4千トンもの日焼け止めが川や海に流れているんです。その中の紫外線吸収剤の影響で「サンゴが白化」しているんです。

地球温暖化で「サンゴの白化」が世界的な問題となっていますが、実はUVケアも関係していることをご存知ですか?皆さんが毎日塗り、洗い落とすUVケア。世界では年間一万四千トンもの量が海に流れているという試算もあります。UVケアの成分である「紫外線吸収剤」は海の底に蓄積し、その影響でサンゴの白化に拍車がかかります。そして白化状態が続くと、サンゴは死滅してしまいます。
海は万物の最終ゴミ処理場であってはなりません。しかし、化粧品や洗剤などの生活用品を洗い流した後、最後に行きつく所は海です。そのことを皆さん意識してください。
また人工的に作られた成分ほど、分解されにくく、元の環境には戻りにくいです。毎日使うものは、まずは使いすぎないこと、そして使うとしたらぜひ安全なものを選んでください。

動画でわかりやすく解説!